1990年から現在まで32年間に渡り、「フィリピン・サンペドロ市貧困地域におけるデイケアセンター保育園建設プロジェクト」に取り組んでいます。これまで10箇所のセンターを建設しました。センターでは3~4歳児童に給食サービスや英語初等教育他を提供しています。1箇所で70名の児童を収容し、総児童数は700名、累計卒園生数は9000名です。建設費用は1箇所平均300万円、累計は約3000万円に達しますが、貧困地域の子供たちの教育環境が大きく改善され、私たちも大きな喜びとやり甲斐を感じています。
そして彼らデイケアセンター卒園生が大学進学年令に達するのを待って2005年にスタートしたのが「フィリピンでの4年制大学スカラーシップ」です。各センターの卒園生で且つ経済的に大学進学が叶わない貧困家庭出身の優秀子女を毎年1~2名選抜し、大学での勉学費用を全額支援しています。これまで19名を支援しました。恵まれない家庭出身の子女が高等教育のチャンスを掴んで社会人となり、フィリピン国内のみならず国際舞台で活躍しています。私たち和歌山中ロータリークラブ会員一同は、こうしてこの32年間、彼ら次世代の子供達、学生達と共に歩んで来ました。私たちロータリアンが、次世代のインスピレーションとならんことを。
〈フィリピン大学奨学生ルイサ・カサスさんからのお便り〉
2022年7月29日付け
Dear Mr. Hiroshi,
Sending my apologies for my
late reply. I really hope that you and
the rest of your family and
members of Rotary Club of Wakayama
Naka Japan are safe and doing good.
Looking back, I can still
remember the day I met you and the rest
of your organization face to face. You told me
to take care of
myself and not to study too
hard so I can still enjoy the rest of my years in college. Despite every
pressure I felt back then, I'm grateful that someone actually told me to slow
down and just be myself. I thought I was able to convey all the things I wanted
to say to you and to Rotary when I gave my speech two years ago, but I guess
it's not enough for me and now is the best time to do it.
For four years I have been
afraid that I will fall short and I will not be able to graduate. Accountancy
is a very hard program and I know that it will require more effort than I can
imagine. So, I tried to look for something that will give me more reason to
believe in myself and to continue. In my mind, I laid down all the things my
family sacrificed for me and the unwavering support your organization gave me.
It became my main driving force to not be afraid and to risk everything for a
greater future. This is the only way I can repay you and your trust which
sustained me through the years. Completing college and achieving this award is
not for me, but for you and for Rotary who continuously help people no matter
where they came from. I really hope I made you proud.
Now, I am again sorry for sending this email a little late. I was actually
planning to send you a letter right after graduation but I have been caught
up with the requirements for review school. Again, I know that this entire
preparation for the board exam will eventually make me anxious just like
the very first day in college but whenever I'm losing my hope, I always
try to think that there are people from the Philippines and from Japan
who actually believe in me and the things I am capable of. So, whatever
the result may be, I hope I'll be able to create a career not for myself
alone but also for other people who I would like to share my success with.
As I always say, thank you for changing my life. I will forever treasure
the opportunity you gave me and I promise to help others as you have helped
me.
This letter may be too long but I know it will not suffice all the things
I wanted to say to you. I hope you were able to see my post last May but
I will attach the pictures to make sure, it's just a little way for people
to know how Rotary made it possible for me to achieve this milestone.
Again, thank you so much and I hope to see you soon when time and chance
permits.
Sincerely,
Luisa Marie Casas
デイケアセンター保育園プロジェクト・大学奨学生プロジェクト
最新情報 !
―ルイサ・カサスさんが、学年最優秀賞を受賞して、大学を卒業しました〈フィリピン大学奨学生ルイサ・カサスさんからのお便り〉
2022年7月29日付け
ルイサ・カサスさん(Ms. Luisa Marie R. Casas)は、2000年6月8日、フィリピン共和国サンペドロ市で生まれました。3歳から5歳の間、和歌山中ロータリークラブがサンペドロ市に建設したマグサイサイ・デイケアセンター保育園で英語のABC等幼児教育を受けました。後年、和歌山中ロータリークラブが4年間の授業料や教材費等全額を支援する
「フィリピン大学奨学生」の一人に選抜され、2018年6月からマニラ市の名門サンファン・ド・レトラン大学会計学科で勉学しました。
先般2022年5月、レトラン大学を卒業するに際し、「学年最優秀賞」を授与されています
以下、和歌山中ロータリークラブに対するお礼状の骨子です。
記
■和歌山中ロータリークラブ会員・ご家族の皆様、コロナ禍の中、いかがお過ごしでしょうか。
■今、2019年2月に皆様と初めてサンペドロ市でお会いした日のことを思い出しています。
あの時、貴クラブの宮本裕史会員は、「勉強も大切だけど、自分自身のことも大切にするようにね」、と語りかけてくれました。その頃、私は大学生活に大変なプレッシャーを感じていた時期だったので、私に面と向かって「肩の力を抜いて、いつもの自分らしくね」と言ってくれる人がいたことに本当に感謝しています。
■大学生活の4年間、私はずっと、単位を取れなくて卒業出来なくなるのではないか、と心配していました。会計学は本当に難しく、私が思っていたよりずっとずっと努力が必要でした。よほど固い決意がないと、心が折れそうでした。
そこで私は、これまで私の家族が私のために払ってくれた犠牲の数々や、和歌山中ロータリークラブ、サンペドロ・ロータリークラブが私に寄せてくれた信頼やご支援の全てを思い描きました。これが私の心の支えとなり、未来のためにリスクを恐れず取り組む原動力となったのです。大学生活を無事終えることが出来たのも、そして
“Magna Cum Laude” という学年最優秀賞を受賞出来たのも、ロータリークラブの皆様が、恵まれない人たちにご支援を続けて頂いたお陰です。皆様のご期待に応えることが出来たとすれば本当に嬉しく思います。
■これから公認会計士の国家試験に臨みます。大学に入学した時と同じように不安な心理状態です。でも、自信がなくなりかけたら、いつもフィリピンと日本に私のことを信じ、応援して下さる方々がいることを思い出すつもりです。結果がどうであれ、自分のためだけでなく、私を支えて下さる方々と喜びを共有出来るようなキャリアを切り開いて行ければと考えています。これまで何回も申し上げましたが、
“Thank
you for changing my life.”
和歌山中ロータリークラブとサンペドロ・ロータリークラブの皆様が与えて下さったこのチャンスを一生大切にしたいと思います。
そして皆様が私に支援の手を差し伸べて下さったように、私も人の助けになるよう志を立てています。
”I promise to help others as you have helped me.”
ルイサ・マリー・カサス 以上
ルイサさんのフェイスブック投稿文
(2022年5月27日 *英文は省略しています)
〈ロータリークラブが私の人生を変えてくれました!〉
□2017年11月、高校の授業を休んで、サンペドロ・ロータリークラブ会員の皆様による大学スカラーシップ選抜試験を受けに行きました。そして神様のお陰で運よく合格出来たのです。
私は、和歌山中ロータリークラブとサンペドロ・ロータリークラブによるスカラーシップによって、マニラ市のサンファン・ド・レトラン大学会計学科に進学することが出来ました。でも私は高校ではSTEMのクラスにいたため、レトラン大学入学後の数か月間は何をしたら良いのか分からず、翌日の課題のことを考え、泣きながら眠りにつくことがしばしばでした。補修のクラスも受けざるを得ませんでした。
加えてその年は、私自身手術を受けたり、家族が経済的に借り入れなしには生活出来なくなったり、大変困難な時期でした。でも、私はあきらめませんでした。
(注)STEMクラス:Science Technology Engineering
Mathematics の略。イノベーションを生み出せる人材を作る目的で導入された教育プログラム。新設クラスのため、大学進学には不利だという評価もされている。
□4年後、かつては不安で自信のなかった少女も、無事学士号を取得する ことが出来ました。
大学での勉強に必死で付いて行くことが出来ただけでも嬉しく、感謝気 持ちでいっぱいですが、神様のお陰で、予想していた以上の成果を上げることが出来ました。 (中略)
□サンペドロ・ロータリークラブと和歌山中ロータリークラブの皆様、私の人生を良い方向へ導いて頂き本当に有難うございます。皆様のお陰で、夢の実現に向かって挑戦する機会を得、そしてきょうまでの道のりを歩んで来ることが出来ました。
皆様への感謝の気持ちを一生大切にし、皆様が私を支援して下さったように、私もこれから人のお役に立ちたいと思います。 (中略)
□貧困は人生の階段を登る妨げにはならない、という人もいます。しかし、その理論は現実では通用しません。貧困は、あらゆる場面で障害となり、あなたが必死に努力している夢の実現を妨げます。従って、私は「教育を受ける権利」という考えを信じません。
私は、「教育委を受けるのは特権」だと考えます。
だからこそ、この「教育を受ける特権」を私に与えて下さった私の回りの皆様に感謝したいのです。
ルイサ・マリー・カサス
【資格・受賞歴】
● 会計学学士号
● レトラン大学ジュニア・フィリピン会計学協会副会長: 2021-2022年度
● NSTP(National Service Training Program)「コミュニティー・サービス(社会福祉活動)講座」最優秀学生賞 受賞:
2018-2019年度
● Magna Cum Laude 学年最優秀賞 受賞:
2022年度
《和歌山中ロータリークラブから奨学生ルイサさんへの返信文》
2022年8月2日付
Dear
Luisa,
I
am very glad to have received your mail of July 29.
I
found your words in the mail to be very impressive, heart warming, and
encouraging to us as well.
Your
perseverance, your way of thinking about the blessings you received from your
family and others, your thoughtfulness of others, and above all
your
readiness to help others, all struck a cord in our heart!
Someone said, life is 10 percent what happens to you and 90 percent how
you react to it.
We
are proud of you, Luisa, how you have reacted in the path of your life.
Our
best wishes for your future!
But
don’t work too hard!
Take
it easy from time to time.
Please
take care.
Hiroshi
Miyamoto
Rotary
Club of Wakayama Naka, Japan
■7月29日のお便り有難う。
心温まる、そして私たちに奉仕活動のやりがいを改めて実感させるようなメッセージでした。
■困難に直面した時のあなたの忍耐強さ、ご家族そのほかの方々にお世話になったことを決して忘れないでおこうとするあなたの考え方、他人に対する思いやり、そして何より、人のお役に立ちたいというあなたの姿勢は、私たちロータリアンの琴線に触れるものです。
■誰の言葉だったか、「あなたの人生の10%は、あなたがどういう出来事に遭遇するかに影響されます。
しかし、あなたの人生の残りの90%は、あなたがそれらの出来事にど う反応するかで決まります。」
ルイサさん、あなたのこれまでの人生の歩み、私たちも誇らしく思って います。
今後のご活躍をお祈りしています。
どうぞお元気で。
宮本 裕史
和歌山中ロータリークラブ
Inspire the next generation 次世代と共に.pdf へのリンク
|